次の発表会・コンクールで踊るバリエーションを探しています。「コッペリア」にはどんなバリエーションがありますか?
このような疑問に答える記事を用意しました!
この記事ではバレエ「コッペリア」に登場するバリエーションを動画付きで解説しています。
海外バレエ団で働くバレエダンサーの私が解説しますね!
バリエーション選びのポイントに加えて、記事後半ではよくある質問にも答えているので、ぜひ最後までじっくり読んでくださいね!
バレエ「コッペリア」とは
バレエ「コッペリア」は、1870年に初演されたコミカルでロマンチックなバレエ作品です。
喜劇です!
音楽はレオ・ドリーブ、振付はアルチュール・サン=レオンによって手がけました。
バレエ作品の中でも「コッペリア」は特にユーモアあふれる喜劇作品として知られており、多くのバレエ団で定番のレパートリー演目となっています。
あらすじ
「コッペリア」のストーリーを簡単に説明すると、ポーランドの小さな村を舞台に主人公スワニルダと恋人フランツの恋愛を描いた作品です。
作品は全3幕で構成されており、各場面をざっくり解説すると次のようになります。
- 第1幕「ポーランドの農村」
- 第2幕「コッペリウスの屋敷」
- 第3幕「スワニルダとフランツの結婚式」
詳しい作品のストーリーは「バレエ「コッペリア」全幕のあらすじ・登場人物・見どころ」で解説しています。
» バレエ「コッペリア」全幕のあらすじ・登場人物・見どころ|現役ダンサーが徹底解説!
バレエ「コッペリア」全幕のあらすじ・登場人物・見どころ|現役ダンサーが徹底解説!
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登場人物
バレエ「コッペリア」には、次のような人物が登場します。
- スワニルダ:明るく元気な村娘でいたずら好き。恋人のフランツを愛している。
- フランツ:村の青年でスワニルダと恋仲。コッペリアの美しさに心を奪われる。
- コッペリウス:カラクリ人形職人。コッペリアを作り出した人物で、少し変わった性格をしている。
- コッペリア:コッペリウスが作った美しい人形。
バリエーション選びの5つのポイント
バリエーション選びのポイントは、次の5つになります。
- 自分の得意なテクニックを活かせるか。
- 難易度は自分の年齢や経験に合っているか。
- 役(キャラクター)を演じきれそうか。
- 作品の音楽は気に入ったか。
- 自分が楽しめるバリエーションか。
「自分がその役を踊る姿をイメージできるか」がバリエーション選びには大切です。
せっかくバリエーションを選んでも先生からNGが出る場合があるので、候補を2〜3コ用意しておくのがおすすめです。
バレエ「コッペリア」で踊られるバリエーション一覧
バレエ「コッペリア」で踊られるバリエーションは、次の3つになります。
バリエーションと合わせて、発表会でよく踊られる踊り(ディベルティスマン)も紹介しますね。
動画付きで解説します!
スワニルダ第1幕のバリエーション
スワニルダ第1幕のバリエーションは、作品冒頭のスワニルダの登場シーンで踊られるバリエーションです。
- 難易度:★★★☆☆(3/5)
- テクニック:★★★☆☆(3/5)
- 体力:★★★☆☆(3/5)
- 表現力:★★★★☆(4/5)
- 音楽:★★★☆☆(3/5)
明るくて愛らしいスワニルダの性格が表現された踊りとなっています。
バリエーション中盤では、窓辺に座るコッペリア人形に挨拶(レベランス)をする場面があります。
グラン・パ・ド・シャやピルエットなどの跳躍系と回転系のテクニックが、まんべんなく散りばめられたバリエーションとなっています。
スワニルダ第3幕のバリエーション
スワニルダ第3幕のバリエーションは、第3幕「スワニルダとフランツの結婚式」の場面で踊られるバリエーションです。
フランツと踊る平和のパ・ド・ドゥの中で披露されます!
- 難易度:★★★★☆(4/5)
- テクニック:★★★★☆(4/5)
- 体力:★★★★☆(4/5)
- 表現力:★★★☆☆(3/5)
- 音楽:★★★☆☆(3/5)
結婚式での踊りなので、喜びにあふれた感情を表現する華やかな踊りが求められるバリエーションです。
グラン・ジュッテなどの跳躍系のテクニックに加えて、後半ではグラン・フェッテが振付に含まれています。
フランツのバリエーション
フランツのバリエーションは、第3幕「スワニルダとフランツの結婚式」で踊られるバリエーションです。
- 難易度:★★★☆☆(3/5)
- テクニック:★★★★☆(4/5)
- 体力:★★★☆☆(3/5)
- 表現力:★★★☆☆(3/5)
- 音楽:★★★☆☆(3/5)
カブリオールが多く登場する振付で、中盤〜後半にかけてはピルエットとザンレール(ドゥーブル・トゥール・アン・レール)が出てきます。
フランツがスワニルダとの結婚式で披露するバリエーションなので、彼の喜びに満ちた感情の表現が求められます。
人形のワルツ
人形のワルツは、第2幕「コッペリウスの屋敷」で登場する踊りです。
演出によっては第3幕で披露される場合もあります!
- 難易度:★★★☆☆(3/5)
- テクニック:★★★☆☆(3/5)
- 体力:★★★☆☆(3/5)
- 表現力:★★★★☆(4/5)
- 音楽:★★★☆☆(3/5)
人形らしさを表現するための、不思議な手のポジションとぎこちない動きが特徴的な踊りです。
時の踊り
時の踊りは、第3幕「スワニルダとフランツの結婚式」で登場する踊りです。
- 難易度:★★★☆☆(3/5)
- テクニック:★★★☆☆(3/5)
- 体力:★★★☆☆(3/5)
- 表現力:★★★☆☆(3/5)
- 音楽:★★★☆☆(3/5)
時計の針を示すような対称的なフォーメーションが美しい踊りとなっています。
曙(あけぼの)の踊り
曙(あけぼの)の踊りは、第3幕「スワニルダとフランツの結婚式」で登場する踊りです。
- 難易度:★★★☆☆(3/5)
- テクニック:★★★☆☆(3/5)
- 体力:★★★★☆(4/5)
- 表現力:★★★☆☆(3/5)
- 音楽:★★★☆☆(3/5)
アダジオのようなコンビネーションから始まり、中盤では跳躍系、後半では回転系のテクニックが続きます。
「曙の踊り」は新しい一日の始まりを象徴する踊りで、夜が明けて太陽の光が世界を照らし始める瞬間を表現しています。
祈りの踊り
祈りの踊りは、第3幕「スワニルダとフランツの結婚式」で登場する踊りです。
- 難易度:★★★☆☆(3/5)
- テクニック:★★★☆☆(3/5)
- 体力:★★★★☆(4/5)
- 表現力:★★★★☆(4/5)
- 音楽:★★★☆☆(3/5)
ゆったりとした穏やかなテンポで踊られます。
パドブレでの移動が多く、アダジオのような振付が多く登場してきます。
ジャンプや速いステップは少なく、繊細で柔らかな動きが求められる踊りです。
仕事の踊り
仕事の踊りは、第3幕「スワニルダとフランツの結婚式」で登場する踊りです。
「糸を紡ぐ娘たちの踊り」と呼ばれる場合もあります!
- 難易度:★★★☆☆(3/5)
- テクニック:★★★☆☆(3/5)
- 体力:★★★☆☆(3/5)
- 表現力:★★★★☆(4/5)
- 音楽:★★★☆☆(3/5)
村の若者たちが日々の労働とその喜びを祝う、活気とエネルギーに満ちた踊りとなっています。
結婚の踊り
結婚の踊りは、第3幕「スワニルダとフランツの結婚式」で登場する踊りです。
- 難易度:★★★☆☆(3/5)
- テクニック:★★★☆☆(3/5)
- 体力:★★★☆☆(3/5)
- 表現力:★★★☆☆(3/5)
- 音楽:★★★☆☆(3/5)
ポルカのステップが特徴的な踊りです。
ほかの踊りとは異なり、キャラクターダンス(民族舞踊)となっています。
「コッペリア」のバリエーションに関するよくある質問3つ
最後に「コッペリア」のバリエーションに関するよくある質問を3つ答えていきます。
- 質問①:どんな衣装を着て踊りますか?
- 質問②:コンクールで人気のバリエーションは?
- 質問③:音源CDはどこで手に入りますか?
1つずつチェックしましょう!
質問①:どんな衣装を着て踊りますか?
バレエ「コッペリア」に登場するスワニルダとフランツは、次のような衣装を着て踊られます。
- スワニルダ(第1幕):暖色系のロマンティック・チュチュ
- スワニルダ(第3幕):白系のクラシック・チュチュ
- フランツ(第3幕):白ブラウス+ベスト+白タイツ
b.c.costume.(ビーシーコスチューム)や衣装畑などでレンタル衣装の取り扱いがあります。
「レンタル衣装を探している」や「衣装のイメージをつかみたい」という方は、ぜひチェックしてみてください!
質問②:コンクールで人気のバリエーションは?
「コッペリア」で踊られる3つのバリエーションは、すべてコンクールで中学生に人気のバリエーションです。
- スワニルダ第1幕のバリエーション
- スワニルダ第3幕のバリエーション
- フランツのバリエーション
スワニルダ第3幕のバリエーションは、小学生が踊っている姿もたまに見かけます。
質問③:音源CDはどこで手に入りますか?
いくつかのメーカーから「コッペリア」全幕のCDが販売されています。
「Amazon」や「楽天市場」での取り扱いもあるので、ぜひチェックしてみてください!
まとめ:「コッペリア」のバリエーションを踊ろう!
この記事では、バレエ「コッペリア」で踊られるバリエーション&踊りを解説しました。
コッペリアで登場するバリエーションは、どれもコンクールで人気の演目となっています。
この記事で解説したバリエーション選びのポイントを参考にして、自分にピッタリのバリエーションを選びましょう!
踊るバリエーションが決まったら、作品のあらすじや作品背景を学んでおくと練習に役立ちますよ。