バレエ「海賊」のあらすじ・登場人物・見どころ|バレエダンサーが解説!

バレエ「海賊」のあらすじ・登場人物・見どころ|バレエダンサーが解説!

今度、バレエ「海賊」を観に行くことになりました。どんなストーリーなのか予習したいので、あらすじや登場人物を簡単に教えてください!

このような悩みを解決できる記事を書きました。

この記事では、バレエ「海賊」のあらすじや登場人物、見どころを簡単に解説しています。

海外でバレエダンサーとして働いている筆者が解説しますね!

バレエ「海賊」のあらすじや登場人物に加えて、作品の見どころもあわせて紹介しています。

ぜひ最後まで読んで、バレエ鑑賞をより楽しみましょう!

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バレエ「海賊」とは

バレエ「海賊」は、フランスの作曲家アドルフ・アダンによって作曲されたバレエ作品です。

アダンはジゼルの楽曲も手がけました!

あらすじを簡単に説明すると、「地中海を舞台に海賊の領主コンラッドとギリシャの娘メドーラの恋の行方を追った作品」となっています。

バレエ「海賊」の作品情報
  • 原作:ジョージ・ゴードン・バイロン著「海賊」
  • 作曲:アドルフ・アダン(1803‐1856年)
  • 振付:ジョゼフ・マジリエ(1801‐1868年)
  • 構成:全3幕5場
  • 初演:1856年1月23日(パリ・オペラ座)

バレエ「海賊」の原作は、イギリスの詩人ジョージ・ゴードン・バイロンが書いた「海賊」が原作となっています。

初演は1856年1月23日にフランスのパリ・オペラ座で上演されました。

作品の振付をしたのは、フランスの振付家ジョゼフ・マジリエです。

パキータの振付をした人物ですね!

現在、上演されている海賊は、のちにマリウス・プティパの改訂版がベースになっています。

改訂にあわせて、以下の作曲家の楽曲が追加されていきました。

  • チェーザレ・プーニ
  • レオ・ドリーブ
  • リッカルド・ドリゴ
  • レオン・ミンクス

バレエ「海賊」の登場人物

バレエ「海賊」に登場する人物たちをまとめてみました。

まずは重要人物から紹介してきます!

主な登場人物

バレエ「海賊」の相関図
  • メドーラ:ギリシャの娘。コンラッドと恋に落ちる。
  • ギュリナーラ:メドーラの友人。
  • コンラッド:海賊の領主。メドーラと恋に落ちる。
  • ビルバント:コンラッドの友人。コンラッドを裏切る。
  • アリ:コンラッドの忠臣。
  • パシャ:トルコの総督。
  • ランケデム:奴隷商人。

上記の登場人物たちを中心に物語が進んでいきます。

男性が多く登場してきますよ!

その他の登場人物

その他にも、以下のような登場人物が出てきます。

  • 海賊
  • 海賊の女
  • 女奴隷
  • 市場の商人
  • パシャの従者
  • パシャの護衛
  • 花園
  • オダリスク

バレエ「海賊」のあらすじ

バレエ「海賊」のあらすじを場面ごとに解説していきますね。

  • プロローグ:難破する海賊船
  • 第1幕:奴隷市場
  • 第2幕:海賊たちの潜む洞窟
  • 第3幕:パシャの花園

プロローグ:難破する海賊船

海賊の領主コンラッドの率いる海賊船が嵐に巻き込まれ沈没する。

第1幕:奴隷市場

コンラッド、ビルバント、アリの3人が流れ着いた先は、ギリシャに面した地中海の浜辺だった。

そこを偶然通りかかったギリシャの娘、メドーラ、ギュリナーラらに助けられます。

コンラッドとメドーラに恋に落ちるのでした。

だがそこへトルコ兵がやってきて、メドーラたちは捕らえられ奴隷市場へ連れ去られてしまいます。

コンラッドたちはメードラたちを救い出すと決めるのでした。

奴隷商人ランケデムの奴隷市場では、集められた奴隷たちが売り買いされて活気に溢れています。

奴隷市場を訪れたトルコ総督のパシャは、自分の宮殿に招き入れる美しい女性を探していました。

ギュリナーラが競りにかけられると、パシャはすぐに競り落とします。

次にメドーラが競りに出されるとパシャは彼女の美しい容姿に魅了されて、パシャはどんな価格でも手に入れようとしています。

そこに商人に扮したコンラッドが「さらに高値で引き取ろう」と申し出ました。

パシャは信じられないほどの高値に、彼の正体を怪しまれます。

正体がバレそうになると、コンラッドは自らの正体を明かし、混乱に乗じてメドーラと女奴隷たちを助け出し、奴隷商人のランケデムを連れて姿のくらますのでした。

ギュリナーラはパシャの宮殿へ連れて行かれます!

第2幕:海賊たちの潜む洞窟

海賊たちの隠れ家である洞窟では、メドーラたちを助け出したことを祝い、宴が行われている。

メドーラ、コンラッド、アリによってパ・ド・トロワが踊られる場面です!

メドーラは一緒に捕まっていた女奴隷たちを解放するようにランケデムにお願いします。

コンラッド以外の海賊は全員反対をしましたが、コンラッドは反対を押し切り女奴隷を解放するのでした。

この出来事に不満を持ったビルバントは、捕虜となっていたランケデムと共謀してコンラッドに罠を仕掛けます。

睡眠薬を振りかけた花束をメドーラに渡し、何も知らないメドーラは友人を救ってくれた感謝の気持ちを込めてコンラッドに渡しました。

コンラッドはぐっすりと眠ってしまいます。

ビルバントは眠っているコンラッドを殺害しようとしますがメドーラが抵抗します。

混乱に乗じてランケデムはメドーラを捕まえて、洞窟から逃げ出すのであった。

第3幕:パシャの花園

トルコ総督パシャの宮殿では、美しい女性たちを集めた花園が築かれていた。

パシャは奴隷市場で見つけたギュリナーラの踊りに満足していたが、ほかの女性たちは不満をいだいていた。

するとそこに奴隷商人のランケデムがメドーラを連れてやってきた。

自分のもとにメドーラが戻ってきたことに喜ぶパシャ。

上機嫌になったパシャは、メッカへの巡礼に向かう一行に「一晩泊めてほしい」と頼まれて快諾します。

実は彼らはメドーラたちを救いにきた変装したコンラッドたちだったのだ。

パシャの隙をついてメドーラたちを救出し、海賊船に乗り込みます。

新たな旅に出発する一行であったが、船は嵐に遭遇し沈没します。

コンラッドとメドーラだけが奇跡的に助かったのであった。

バレエ「海賊」の見どころ

バレエ「海賊」の見どころを3つ紹介します。

  • 男性ダンサーの勇ましい踊りが楽しめる
  • 美しい花園
  • 数多く登場するバリエーション

男性ダンサーの勇ましい踊りが楽しめる

バレエ「海賊」では、コンラッド、ビルバント、ランケデムといった男性を中心に物語が進んでいきます。

第2幕「海賊の潜む洞窟」の場面では、海賊たちによる勇ましい踊りが楽しめます。

コンラッド、メドーラ、アリによるパ・ド・トロワもこの場面で踊られます!

男性中心にストーリーが展開されていくのが、バレエ「海賊」の特徴のひとつですね。

美しい花園

前半は男性中心に物語が展開されていきますが、第3幕では女性メインの花園の場面が出てきます。

男性たちによる勇ましいとは打って変わり、優雅で美しい女性の踊りやバリエーションが披露されます。

「これぞ、クラシックバレエ!」といった場面ですね!

数多く登場するバリエーション

バレエ「海賊」では、ほかの作品よりもバリエーションが数多く踊られます。

具体的には、次のようなバリエーションが出てきます。

第1幕:奴隷市場
  • メドーラのバリエーション
  • オダリスクの第1バリエーション
  • オダリスクの第2バリエーション
  • オダリスクの第3バリエーション
  • ランケデムのバリエーション
  • ギュリナーラのバリエーション
第2幕:海賊たちの潜む洞窟
  • アリのバリエーション
  • メドーラのバリエーション
  • コンラッドのバリエーション
第3幕:パシャの花園
  • ギュリナーラのバリエーション
  • メドーラのバリエーション

改訂をしていく度に、新しい作曲家の曲を加えられたことが理由のひとつです。

同じ場面でもバレエ団によって踊られるバリエーションが異なっていますよ!

海賊で踊られるバリエーションは、「【保存版】バレエ「海賊」で踊られるバリエーションまとめ」で動画付きで解説しています。

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【保存版】バレエ「海賊」で踊られるバリエーションまとめこの記事では、バレエ「海賊」で踊られるメドーラやギュリナーラ、オダリスクなどのバリエーションを動画付きで紹介しています。……

バレエ「海賊」の動画・DVD

バレエ「海賊」の予習ができる動画やDVDをまとめて紹介します。

動画:バシキール国立オペラ・バレエ劇場「海賊」(2022年)

ロシアにあるバシキール国立オペラ・バレエ劇場が2022年に行ったライブ配信です。

主な配役
  • メドーラ:イリーナ・サポジニコワ
  • コンラッド:カナト・ナディルベク
  • ビルバント:アンドレイ・ブリンツェフ
  • ランケデム:アレクセイ・ティトフ

詳しいバレエ団の情報は、以下の記事で紹介しています!

≫ ロシアのバレエ団・劇場を現地のプロダンサーが徹底解説!

DVD:イングランド・ナショナル・バレエ「海賊」(2014年)

2014年に収録されたイングランド・ナショナル・バレエの「海賊」です。

日本でも人気のアリーナ・コジョカルが出演しています!

主な配役
  • メドーラ:アリーナ・コジョカル
  • コンラッド:ワディム・ムンタギロフ
  • ギュリナーラ:高橋絵里奈
  • ランケデム:トミトリー・グルジェフ
  • アリ:ジュノア・スーザ
  • ビルバンド:ヨナ・アコスタ

DVD:Kバレエカンパニー「海賊」(2010年)

日本を代表するダンサー熊川哲也がアリ役を踊るKバレエ・カンパニーの「海賊」です。

主な配役
  • メドーラ:浅川紫織
  • コンラッド:S・キャシディ
  • ギュリナーラ:松岡梨絵
  • ランケデム:伊坂文月
  • アリ:熊川哲也
  • ビルバント:B・バットボルト

まとめ

今回はバレエ「海賊」のあらすじ、登場人物、見どころについて紹介しました。

バレエ「海賊」は…

海賊の領主コンラッドとギリシャの娘メドーラの恋の行方を追った作品

≫ バレエ「海賊」のあらすじを確認する

≫ バレエ「海賊」の登場人物を確認する

バレエ「海賊」は荒々しくも勇ましい海賊たちの踊りや数多くのバリエーションを楽しめる作品です。

あらすじや登場人物を知っておけば、バレエ「海賊」の鑑賞がより楽しめるようになりますよ!

バレエ作品について「もっと知りたい!」という方にはこちらの本がオススメですよ!

この記事を書いた人Wrote this article

かたーる

かたーる 男性

『バレエの世界をもっと身近に!』をテーマに情報発信しています。【経歴】高校→バレエ留学→コロナ強制帰国→オーディション旅→海外バレエ団(4年目)。年間100公演以上あるバレエ団でソリストをしています。

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