【保存版】バレエ「パキータ」のバリエーション一覧|動画付き

【保存版】バレエ「パキータ」のバリエーション一覧|動画付き

次の発表会・コンクールで踊るバリエーションを探しています。「パキータ」にはどんなバリエーションがありますか?

このような疑問に答える記事を書きました!

この記事では、バレエ「パキータ」で踊られるバリエーション動画付きで解説しています。

海外バレエ団で働くバレエダンサーの私が解説しますね!

バリエーション選びのポイントに加えて、記事後半ではよくある質問にも答えているので、ぜひ最後までじっくり読んでくださいね!

もくじOutline

バレエ「パキータ」とは

バレエ「パキータ」は19世紀に初演されたバレエ作品で、スペインを舞台にしたロマンティックで冒険的な物語を描いています。

作品情報
  • 作品名:パキータ(Paquita)
  • 振付:ジョゼフ・マジリエ ※初演時
  • 作曲:エドゥアール・デルデヴェズ ※初演時
  • 初演:パリ・オペラ座(フランス)

振付はジョゼフ・マジリエ、音楽はエドゥアール・デルデヴェズによって手がけられて、1846年4月1日にフランスのパリ・オペラ座で初演が行われました。

その後マリウス・プティパが、レオン・ミンクスの曲を追加するなどの演出を加えた改訂版を発表しました。

現在ではプティパ版の抜粋が、全1幕の作品として多く上演されています。

あらすじ

バレエ「パキータ」のストーリーを簡単に説明すると、中世のスペインを舞台にジプシーとして育てられた主人公パキータの恋の行方を描いた作品です。

「パキータ」のあらすじ

幼い頃に盗賊にさらわれ、ジプシーとして育てられた主人公パキータ。フランスの将校リュシアン・デグリューと出会い、互いに恋に落ちる。しかし、身分の違いや陰謀に巻き込まれ、愛は危険に晒されていく…。

愛や身分の違い、陰謀などが絡み合ったストーリーが展開していきます。

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コロムビアミュージックエンタテインメント

主な登場人物

バレエ「パキータ」には、次のような登場人物が出てきます。

  • パキータ:美しいジプシーの娘。実は貴族の少女。
  • リュシアン:フランスの将校。パキータに恋する。
  • イニゴ:ジプシーたちのリーダー。パキータを自分のものにしようとする。
  • ドン・ロペス:パキータを狙う陰謀に関わるスペインの地方総督。

バリエーション選びのポイント5つ

バリエーション選びのポイントは、次の5つになります。

  • 自分の得意なテクニックを活かせるか。
  • 難易度は自分の年齢や経験に合っているか。
  • 役(キャラクター)を演じきれそうか。
  • 作品の音楽は気に入ったか。
  • 自分が楽しめるバリエーションか。

「自分がその役を踊る姿をイメージできるか」がバリエーション選びには大切です。

せっかくバリエーションを選んでも先生からNGが出る場合があるので、候補を2〜3コ用意しておくのがおすすめです。

パキータのバリエーションは何種類あるの?

バレエ「パキータ」で踊られるバリエーションの種類に、正確な数はありません。

Petipa’s original staging consisted of seven variations for the likes of Ekaterina Vazem, Varvara Nikitina, Anna Johansson and Alexandra Schaposchnikova.

プティパのオリジナル演出は、エカテリーナ・ヴァゼム、ヴァルヴァラ・ニキティナ、アンナ・ヨハンソン、アレクサンドラ・シャポシュニコワのための7つのヴァリエーションで構成されていた。

引用:Paquita|The Marius Petipa Society(英語)

プティパのオリジナルの演出ではパキータのバリエーションは7つでしたが、再演や改訂が繰り返される中でバリエーションが追加・変更されていきました。

そのため現在では、数多くのパキータのバリエーションが踊られています。

バレエ「パキータ」のバリエーション一覧

それではバレエ「パキータ」で踊られるバリエーションを解説していきます。

パキータのバリエーションでよくある「第◯バリエーション」は正確なものが見当たらないため、こちらのCDを参考に紹介します。

パ・ド・トロワ 第1バリエーション

パ・ド・トロワ第1バリエーションは、パ・ド・トロワの中で踊られる女性バリエーションです。

  • 難易度:★★★☆☆(3/5)
  • テクニック:★★★☆☆(3/5)
  • 体力:★★★☆☆(3/5)
  • 表現力:★★★☆☆(3/5)
  • 音楽:★★★☆☆(3/5)

ピケ・アンディオール(デガジェ)などの回転系やジュテ・アン・トゥールナンなどの跳躍系のテクニックが、まんべんなく散りばめられたバリエーションとなっています。

発表会やコンクールでは出だしのアントルシャ・シスを、ロワイヤルに変えて踊っている人が多いです。

パ・ド・トロワ 第2バリエーション

パ・ド・トロワ第2バリエーションは、パ・ド・トロワの中で踊られる女性バリエーションです。

  • 難易度:★★★☆☆(3/5)
  • テクニック:★★★☆☆(3/5)
  • 体力:★★★☆☆(3/5)
  • 表現力:★★★☆☆(3/5)
  • 音楽:★★★☆☆(3/5)

ブリゼボレアントルシャ・カトルなどの細かな足さばきが求められるコンビネーションになっています。

パ・ド・トロワ 第3バリエーション

パ・ド・トロワ第3バリエーションは、パ・ド・トロワの中で踊られる男性バリエーションです。

  • 難易度:★★★☆☆(3/5)
  • テクニック:★★★☆☆(3/5)
  • 体力:★★★★☆(4/5)
  • 表現力:★★★☆☆(3/5)
  • 音楽:★★★☆☆(3/5)

エネルギッシュで爽快感のある踊りが求められます。

バリエーション後半ではザンレール(ドゥーブル・トゥール・アン・レール)が続くため、体力の配分に気をつける必要があります。

第1バリエーション(泉)

第1バリエーションは、リッカルド・ドリゴ作曲の「泉」の音楽が使用されたバリエーションです。

  • 難易度:★★★☆☆(3/5)
  • テクニック:★★★☆☆(3/5)
  • 体力:★★★★☆(4/5)
  • 表現力:★★★★☆(4/5)
  • 音楽:★★★☆☆(3/5)

ジュテ・アントルラセグラン・アッサンブレといった跳躍系のテクニックの多いバリエーションです。

曲の中で音楽の雰囲気が変わるように、踊りの中にも緩急の表現が求められます。

第2バリエーション(ナイアードと漁夫)

第2バリエーションは、チェーザレ・プニ作曲の「ナイアードと漁夫」の音楽が使われたバリエーションです。

  • 難易度:★★★☆☆(3/5)
  • テクニック:★★★☆☆(3/5)
  • 体力:★★★☆☆(3/5)
  • 表現力:★★★★☆(4/5)
  • 音楽:★★★☆☆(3/5)

デベロッペやアラベスクのパンシェをした状態でポーズを保つ振付があります。

早い曲のテンポの中で、正確なポジションや細かな足さばきが求められるバリエーションです。

第3バリエーション(カウンダウル王)

第3バリエーションとして、「カウンダウル王」よりニシアのバリエーションが踊られます。

リッカルド・ドリゴの作曲です!

  • 難易度:★★★☆☆(3/5)
  • テクニック:★★★☆☆(3/5)
  • 体力:★★★☆☆(3/5)
  • 表現力:★★★★☆(4/5)
  • 音楽:★★★☆☆(3/5)

90度以上に脚を上げているのを感じさせないような、優雅な上体と腕の使い方が求められます。

第4バリエーション(ドン・キホーテ)

第4バリエーションとして、「ドン・キホーテ」よりキューピットのバリエーションが踊られます。

  • 難易度:★★★☆☆(3/5)
  • テクニック:★★★☆☆(3/5)
  • 体力:★★★☆☆(3/5)
  • 表現力:★★★☆☆(3/5)
  • 音楽:★★★★☆(4/5)

ひとつひとつのポーズをしっかりと魅せることが大切です。

キューピットのバリエーションのイメージが強いと、クラシック・チュチュで踊るのには違和感がありますね。

第5バリエーション(アルミードの館)

第5バリエーションは、ニコライ・チェレプニン作曲の「アルミードの館」の音楽が使われたバリエーションです。

  • 難易度:★★★☆☆(3/5)
  • テクニック:★★★☆☆(3/5)
  • 体力:★★★☆☆(3/5)
  • 表現力:★★★★☆(4/5)
  • 音楽:★★★☆☆(3/5)

大きな跳躍系のテクニックはなく、回転系のコンビネーションもあまりありません。

ですがその分ポワントワークの正確さが、はっきりと分かるバリエーションとなっています。

第6バリエーション(エトワール)

第5バリエーションは、エトワールのバリエーションになります。

リッカルド・ドリゴ作曲の「シルフィード」の音楽が使われています。

  • 難易度:★★★★☆(4/5)
  • テクニック:★★★☆☆(3/5)
  • 体力:★★★★☆(4/5)
  • 表現力:★★★★☆(4/5)
  • 音楽:★★★☆☆(3/5)

跳躍系のテクニックは全くなく、正しいポジションと美しい腕の使い方が見せどころのバリエーションです。

第7バリエーション(トリルビ)

第7バリエーションは、ユリー・ガーバー作曲の「トリルビ」の音楽が使われたバリエーションです。

  • 難易度:★★★★☆(4/5)
  • テクニック:★★★★☆(4/5)
  • 体力:★★★★☆(4/5)
  • 表現力:★★★☆☆(3/5)
  • 音楽:★★★☆☆(3/5)

連続のグラン・パ・ド・シャからスタートする、エネルギッシュで力強い踊りが求められるバリエーションです。

バリエーションの最後には、ピルエットジュテ・アン・トゥールナンが連続して続きます。

第8バリエーション(リュシアン)

第8バリエーションは、リュシアンの男性バリエーションです。

  • 難易度:★★★★☆(4/5)
  • テクニック:★★★★☆(4/5)
  • 体力:★★★☆☆(3/5)
  • 表現力:★★★☆☆(3/5)
  • 音楽:★★★☆☆(3/5)

踊りの中に難易度の高いテクニックが多く組み込まれてます。

コンビネーションはバジルのバリエーションと似ており、前半はカブリオールなどのジャンプ系、後半にはピルエットやザンレールの回転系の動きで構成されています。

第9バリエーション(エカテリーナ・ヴァーゼム)

第9バリエーションは、エカテリーナ・ヴァーゼムのバリエーションです。

  • 難易度:★★★☆☆(3/5)
  • テクニック:★★★☆☆(3/5)
  • 体力:★★★☆☆(3/5)
  • 表現力:★★★★☆(4/5)
  • 音楽:★★★★☆(4/5)

腕の使い方が特徴的なバリエーションとなっています。

バリエーションの最後には連続のバロネがあります。

その他にもあるパキータのバリエーション

バレエ「パキータ」で踊られるバリエーションは、まだまだあります。

あわせてチェックしましょう!

女性バリエーション(ヴェスタールカ)

リッカルド・ドリゴ作曲の「La Vestale」より女性バリエーションです。

  • 難易度:★★★☆☆(3/5)
  • テクニック:★★★☆☆(3/5)
  • 体力:★★★★☆(4/5)
  • 表現力:★★★★☆(4/5)
  • 音楽:★★★☆☆(3/5)

曲の長さは2分ほどある、長めのバリエーションです。

優雅でゆっくりなテンポの曲のバリエーションで、脚のおろし方が大切なバリエーションです。

女性バリエーション(リュシアン女性Ver)

リュシアンのバリエーションの曲で女性が踊っているバージョンです。

  • 難易度:★★★☆☆(3/5)
  • テクニック:★★★☆☆(3/5)
  • 体力:★★★☆☆(3/5)
  • 表現力:★★★★☆(4/5)
  • 音楽:★★★☆☆(3/5)

グラン・ジュッテジュテ・アントルラセなどの跳躍系のテクニックに加えて、後半には斜めからのピケ・アンディオール(デガジェ)の回転系のコンビネーションがあります。

力強い踊りの中に、女性らしい美しさの求めれるバリエーションです。

女性バリエーション(海賊)

アルバート・ハインリッヒ・ツァベルの「海賊」からのバリエーションです。

  • 難易度:★★★☆☆(3/5)
  • テクニック:★★★☆☆(3/5)
  • 体力:★★★★☆(4/5)
  • 表現力:★★★☆☆(3/5)
  • 音楽:★★★★☆(4/5)

コンビネーションの間にピルエットなどの回転系のテクニックが組み込まれています。

女性バリエーション(カマルゴ)

リッカルド・ドリゴ作曲の「カマルゴ」より踊られる女性バリエーションです。

  • 難易度:★★★☆☆(3/5)
  • テクニック:★★★★☆(4/5)
  • 体力:★★★☆☆(3/5)
  • 表現力:★★★★☆(4/5)
  • 音楽:★★★☆☆(3/5)

バレエ「カマルゴ」は、マリウス・プティパ振付の全3幕9場のバレエ作品です。

18世紀に活躍した女性ダンサー、マリー・カマルゴを描いた作品となっています。

女性バリエーション(アルミダ)

チェーザレ・プニ作曲の「アルミダ」より女性バリエーションです。

  • 難易度:★★★☆☆(3/5)
  • テクニック:★★★★☆(4/5)
  • 体力:★★★★☆(4/5)
  • 表現力:★★★☆☆(3/5)
  • 音楽:★★★☆☆(3/5)

90度に脚を上げたままのトゥール・アン・ドゥダン連続のグラン・パ・ドゥ・シャといった、難易度の高いコンビネーションが連続しています。

曲の長さは短いですが、体力の求めれるバリエーションです。

リュシアンのバリエーション

リッカルド・ドリゴ作曲の「泉」のバリエーションが、リュシアンのバリエーションとして踊られる場合もあります。

ボリショイ・バレエ団で踊られています。

  • 難易度:★★★★☆(4/5)
  • テクニック:★★★★☆(4/5)
  • 体力:★★★★☆(4/5)
  • 表現力:★★★☆☆(3/5)
  • 音楽:★★★☆☆(3/5)

ラブロフスキー版のパキータで登場するバリエーションです。

踊りの中には、マズルカのステップなどのキャラクターダンス(民族舞踊)の要素が組み込まれています。

「パキータ」のバリエーションに関するよくある質問3つ

最後に「パキータ」のバリエーションに関するよくある質問に答えていきます。

  • 質問①:どのような衣装を着て踊りますか?
  • 質問②:コンクールで人気のバリエーションは?
  • 質問③:CD音源はどこで手に入りますか?

ひとつずつ見ていきましょう!

質問①:どのような衣装を着て踊りますか?

バレエ「パキータ」のバリエーションは、次のような衣装を着ていることが多いです。

  • エトワール:白系のクラシック・チュチュ
  • リュシアン:ジャケット系の上着+白タイツ(もしくは黒タイツ)

そのほかのパキータのバリエーションも特に決まりはなく、好きな色のクラシック・チュチュを着て踊っています。

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「レンタル衣装を探している」や「衣装のイメージをつかみたい」という方は、ぜひチェックしてみてください!

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質問②:コンクールで人気のバリエーションは?

「パキータ」の作品の中では、以下のバリエーションがコンクールで人気です。

リュシアンの男性バリエーションは難易度が高いため、選曲する人が少なくコンクールではあまり見かけません。

質問③:CD音源はどこで手に入りますか?

いくつかのメーカーから「パキータ」のバリエーションが収録されたCDが販売されています。

「Amazon」や「楽天市場」などにも取り扱いがあるので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

まとめ:「パキータ」のバリエーションを踊ろう!

今回の記事では、バレエ「パキータ」で踊られるバリエーションを解説しました。

パキータのバリエーションは演出によって踊られるバリエーションが異なるため、たくさんの種類があります。

その中でも第5バリエーション(アルミードの館)第6バリエーション(エトワール)は、コンクールで人気のバリエーションです。

この記事で解説したバリエーション選びのポイントを参考にして、自分にピッタリのバリエーションを選びましょう!

バリエーションの練習を始める前に、作品のあらすじや作品背景を学んでおくと練習に役立ちますよ。

この記事を書いた人Wrote this article

かたーる

かたーる 男性

『バレエの世界をもっと身近に!』をテーマに情報発信しています。【経歴】高校→バレエ留学→コロナ強制帰国→オーディション旅→海外バレエ団(4年目)。年間100公演以上あるバレエ団でソリストをしています。

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