- ストーリー
- 2024/10/24
次の発表会・コンクールで踊るバリエーションを探しています。「ラ・バヤデール」にはどんなバリエーションがありますか?
このような疑問に答える記事を用意しました!
この記事ではバレエ「ラ・バヤデール」に登場する7つのバリエーションを動画付きで解説しています。
海外バレエ団でダンサーとして働く私が解説しますね!
バリエーション選びのポイントに加えて、記事後半ではよくある質問にも答えているので、ぜひ最後までじっくり読んでくださいね!
バレエ「ラ・バヤデール」とは
バレエ「ラ・バヤデール」(La Bayadère)は、インドを舞台にした19世紀のロマンティック・バレエです。
振付はマリウス・プティパ、作曲はレオン・ミンクスによって手がけられ、1877年にマリインスキー劇場で初演が行われました。
- 作品名:ラ・バヤデール(La Bayadere)
- 振付:マリウス・プティパ
- 作曲:レオン・ミンクス
- 初演:マリインスキー劇場(ロシア)
「ラ・バヤデール」は愛と運命の交錯を描いたドラマティックなバレエ作品で、日本では新国立劇場バレエ団やK-BALLET TOKYOなどが上演しています。
あらすじ
「ラ・バヤデール」を簡単に説明すると、愛のために犠牲を払い続けるニキヤと、彼女の愛を裏切ってしまったソロルの悲劇的な運命を描いた作品です。
舞姫ニキヤと戦士ソロルが秘密の恋を誓い合う。寺院の大祭司もニキヤに恋をしており、彼女の心がソロルにあると知ると嫉妬し、2人の関係を妨害しようと企てる。一方、王ラジャはソロルに娘ガムザッティとの結婚を命じ、物語の悲劇的な運命が始まる…。
作品は全3幕4場で構成されており、各場面をざっくり説明すると次のようになります。
- 第1幕1場:寺院の前の広場
- 第1幕2場:ラジャの宮殿
- 第2幕:ソロルとガムザッティの婚約の宴
- 第3幕:影の王国
現在はカットされる場合が多いですが、第4幕として「寺院の崩壊」の場面もあります。
主な登場人物
バレエ「ラ・バヤデール」には、次のような人物が登場します。
- ニキヤ:寺院の巫女で、ソロルに愛する純粋な女性。
- ソロル:勇敢な戦士で、ニキヤと愛し合いながらも王女との結婚を迫られる。
- ガムザッティ:ラジャの娘で、ソロルとの結婚を望む高慢な王女。
- 大僧正:寺院の権力者で、ニキヤに片思いし、陰謀を企てる。
- ドゥグマンタ(ラジャ):王であり、ガムザッティの父親。
これらの登場人物が織りなす複雑な人間関係とドラマが、バレエ「ラ・バヤデール」の物語を形成しています。
バリエーションの選び方のポイント5つ
バリエーション選びのポイントは、次の5つになります。
- 自分の得意なテクニックを活かせるか。
- 難易度は自分の年齢や経験に合っているか。
- 役(キャラクター)を演じきれそうか。
- 作品の音楽は気に入ったか。
- 自分が楽しめるバリエーションか。
「自分がその役を踊る姿をイメージできるか」がバリエーション選びには大切です。
せっかくバリエーションを選んでも先生からNGが出る場合があるので、候補を2〜3コ用意しておくのがおすすめです。
バレエ「ラ・バヤデール」で踊られるバリエーション一覧
バレエ「ラ・バヤデール」で踊られるバリエーションは、次の7つになります。
動画付きで解説しますね!
第1幕:ニキアのバリエーション
第1幕で踊られるニキアのバリエーションは、ニキアの登場シーンとして披露されるバリエーションです。
- 難易度:★★★☆☆(3/5)
- テクニック:★★★☆☆(3/5)
- 体力:★★★☆☆(3/5)
- 表現力:★★★★☆(4/5)
- 音楽:★★★☆☆(3/5)
バリエーションの途中には、舞台の中心にある「聖なる炎」に祈りを捧げるような場面が出てきます。
第2幕:ソロルのバリエーション
ソロルのバリエーションは、第2幕「ソロルとガムザッティの婚約の宴」の場面で踊られるバリエーションです。
踊りの中に男性ダンサーの力強さと優雅さが求められます。
- 難易度:★★★★☆(4/5)
- テクニック:★★★★☆(4/5)
- 体力:★★★★☆(4/5)
- 表現力:★★★☆☆(3/5)
- 音楽:★★★☆☆(3/5)
バリエーション冒頭では、カブリオールとグラン・パ・ドゥ・シャで舞台全体を駆け巡ります。
第2幕:ガムザッティのバリエーション
ガムザッティのバリエーションは、第2幕「ソロルとガムザッティの婚約の宴」の場面でソロルの次に踊られるバリエーションです。
- 難易度:★★★★☆(4/5)
- テクニック:★★★★☆(4/5)
- 体力:★★★★☆(4/5)
- 表現力:★★★☆☆(3/5)
- 音楽:★★★☆☆(3/5)
グラン・パ・ドゥ・シャなど跳躍系の動きに加えて、アティチュード・トゥール(アンドゥダン)の回転系のテクニックが目まぐるしく続きます。
ガムザッティは高貴なラジャの娘なので、その威厳とプライドを表現することが求められます。
第2幕:ニキアのバリエーション
第2幕のニキアのバリエーションは、ソロルとガムザッティらが踊るパ・ダクシオンのあとに披露される踊りです。
愛する人の婚約の宴で踊るニキヤの内面の複雑さを表現したバリエーションとなっています。
- 難易度:★★★★☆(4/5)
- テクニック:★★★★☆(4/5)
- 体力:★★★★☆(4/5)
- 表現力:★★★★☆(4/5)
- 音楽:★★★☆☆(3/5)
バリエーションは大きく分けて、前半の落ち着いたテンポの部分と後半の速いテンポの部分の2つに分かれています。
曲の長さは約6分と、非常に長いバリエーションです。
このバリエーションを踊り終えた直後、ニキアはかごの中に仕込まれていたヘビに噛まれて命を落とします。
第3幕:影の王国 ソリスト第1バリエーション
影の王国ソリスト第1バリエーションは、第3幕「影の王国」で披露されるバリエーションです。
- 難易度:★★★★☆(4/5)
- テクニック:★★★★☆(4/5)
- 体力:★★★★☆(4/5)
- 表現力:★★★☆☆(3/5)
- 音楽:★★★☆☆(3/5)
速い曲のテンポの中で細かな足のステップの多く、正確な足さばきが求められます。
バリエーションの最後には、第1アラベスクのままプリエ&ルルベで舞台を斜めに移動します。
第3幕:影の王国 ソリスト第2バリエーション
影の王国ソリスト第2バリエーションは、第3幕「影の王国」で2番目に披露されるソリストのバリエーションです。
回転系よりも跳躍系のテクニックが多い踊りとなっています。
- 難易度:★★★★☆(4/5)
- テクニック:★★★☆☆(3/5)
- 体力:★★★★☆(4/5)
- 表現力:★★★☆☆(3/5)
- 音楽:★★★★☆(4/5)
踊りの中で緩急の表現に加えて、ポジションの正確さが求められるバリエーションです。
第3幕:影の王国 ソリスト第3バリエーション
影の王国ソリス第2バリエーションは、第3幕「影の王国」で3番目に披露されるソリストのバリエーションです。
- 難易度:★★★★☆(4/5)
- テクニック:★★★☆☆(3/5)
- 体力:★★★★☆(4/5)
- 表現力:★★★☆☆(3/5)
- 音楽:★★★☆☆(3/5)
エカルテ後ろ方向へのデベロッペから始まるのが特徴の踊りです。
曲はゆっくりなテンポから始まり、段々とテンポが速くなっていきます。
「ラ・バヤデール」のバリエーションに関するよくある質問3つ
最後に「ラ・バヤデール」のバリエーションに関するよくある質問に答えていきます。
- 質問①:どんな衣装を着て踊りますか?
- 質問②:コンクールで人気のバリエーションは?
- 質問③:音源CDはどこで手に入りますか?
1つずつ見ていきましょう!
質問①:どんな衣装を着て踊りますか?
バレエ「ラ・バヤデール」に登場するバリエーションは、次のような衣装を着て踊られます。
- ニキヤ:赤のパンツタイプの衣装
- ソロル:シルバー系のパンツタイプの衣装
- ガムザッティ:白系のクラシック・チュチュ
- 影の王国 ソリスト:白のクラシック・チュチュ+白のベール
b.c.costume.(ビーシーコスチューム)や衣装畑などでレンタル衣装の取り扱いがあります。
「レンタル衣装を探している」や「衣装のイメージをつかみたい」という方は、ぜひチェックしてみてください!
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質問②:コンクールで人気のバリエーションは?
ガムザッティのバリエーションが中高生にコンクールで人気のバリエーションです。
一方ソロルのバリエーションは、男子高校生によく選ばれるバリエーションとなっています。
影の王国ソリストのバリエーションの中では、第3バリエーションがよく踊られます。
質問③:音源CDはどこで手に入りますか?
いくつかのメーカーからバレエ「ラ・バヤデール」全幕のCDが販売されています。
「Amazon」や「楽天市場」などにも取り扱いがあるので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
まとめ:「ラ・バヤデール」のバリエーションを踊ろう!
今回の記事では、バレエ「ラ・バヤデール」で踊られる7つのバリエーションを解説しました。
「ラ・バヤデール」で踊られるバリエーションは、中高生にコンクールで人気のバリエーションです。
この記事で解説したバリエーション選びのポイントを参考にして、自分にピッタリのバリエーションを選びましょう!
バリエーションの練習を始める前に、作品のあらすじや作品背景を学んでおくと練習に役立ちますよ。
この記事を書いた人Wrote this article
かたーる 男性
『バレエの世界をもっと身近に!』をテーマに情報発信しています。【経歴】高校→バレエ留学→コロナ強制帰国→オーディション旅→海外バレエ団(4年目)。年間100公演以上あるバレエ団でソリストをしています。