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ロシアの国際バレエコンクール3選【モスクワ・ワガノワ・ペルミ】

2020/04/25

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ロシアの国際バレエコンクール-ic
「海外の国際バレエコンクールってどんなコンクールがあるの?」

おそらく、海外のコンクールと聞くと「ローザンヌ国際バレエコンクール」を想像する方も多いのではないでしょうか。

実は、わたしが留学していたロシアでも、規模の大きい国際バレエコンクールが開催されています。

実際に、これらのコンクールではヤーナ・サレンコウラジーミル・シクリャローフなど、世界で活躍しているダンサーが多く入賞者しています。

今回の記事では、「ロシアで開催されている国際バレエコンクール」を入賞者の動画と一緒に3つ紹介します。

そして、国際コンクールについて詳しくなりましょう。また、入賞者の動画はヴァリエーション練習の参考になるはずです。

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モスクワ国際バレエコンクール

コンクールの基本情報

1969年からモスクワのボリショイ劇場で、4年に一度開催されれているコンクールです。

ヴァルナ国際ジャクソン国際と共に、世界三大バレエコンクールのひとつに数えられています。

このコンクールは、男女でのデュエットソロによる参加が可能で、ビデオ審査による事前選考で選ばれたダンサーのみがコンクールに参加できます。

部門はジュニア部門 (14〜18歳)、シニア部門 (19〜27歳)、振付部門 (18〜39歳)の3部門が分かれています。

一次・二次・三次審査の計3回の審査が行われます。

それらの審査により、各部門の1〜3位メダル賞金が授与され、入賞者はボリショイ劇場でのガラ公演に参加する権利を得ます。

審査員は1973年からユーリ・グリゴロービッチが審査員長を務めており、イタリア、アメリカ、フランスなどの国からの芸術監督や学校長が15名前後が審査をしています。

2017年大会は、大会史上最多の26カ国から200名のダンサーがコンクールに参加し、審査の様子が初めてライブ配信されていました。

基本情報

  • 開催時期:4年に一度(前回は2017年)
  • 場所:ボリショイ劇場(モスクワ)
  • 審査員長:ユーリー・グリゴローヴィチ
  • 部門:ジュニア部門(14〜18歳)、シニア部門 (19〜27歳)、振付部門 (18〜39歳)

過去の入賞者&動画

長く続いているコンクールなだけあり、第一回大会ではミハイル・バリシニコフが金賞を受賞してます。

現在活躍している多くのダンサーがこのコンクールに参加しており、2005年にはエフゲニア・オブラツォワヤーナ・サレンコ、2009年には、ウラジーミル・シクリャローフなどが金賞を受賞しています。

日本人では、岩田守弘さんが1993年にシニア部門で金賞を受賞しました。

2017年大会には、現在ノボシビルスクバレエ団所属の大川航矢@okawakoya)さんと寺田翠さんがシニア部門にデュエットで出場し、金賞銅賞を受賞しています。

また、同じ年に千野円句さんもジュニア部門で金賞を受賞しています。

エヴェリーナ・ゴドゥノワ(2017年金賞)

シニア部門で金賞を獲得したエヴェリーナ・ゴドゥノワ@evelinagodunova)のキトリのヴァリエーションです。

エリザベス・ベイヤー(2017年金賞)

ジュニア部門で金賞を獲得したエリザベス・ベイヤーのエスメラルダのヴァリエーションです。

アダムジャン・バフティヤル(2017年金賞)

シニア部門で金賞を受賞したアダムジャン・バフティヤル@adamzhanbahtiyar)による、「タリスマン」の男性ヴァリエーションです。

こちらのページから会員登録は必要ですが、2017年大会の審査の様子をフルで観るコトができます。

https://www.medici.tv/en/moscowballetcompetition/replay/

ワガノワ国際バレエコンクール"Vaganova-PRIX"

コンクールの基本情報

1988年に創設されたサンクトペテルブルクで行われいるコンクールです。

このコンクールは長らく開催されていなかったですが、ニコライ・ツィスカリーゼがワガノワバレエアカデミー校長に就任した後、2016年に10年ぶりに開催されました。

今回紹介する2つのコンクールとは違い、ローザンヌ国際バレエコンクールのような、14歳から18歳までのバレエを学んでいる学生のみが参加できるコンクールです。

2018年大会では、ロシアを始め、アメリカ、フィンランド、韓国、日本などの20カ国から63名の若いダンサーたちが参加しました。

ワガノワバレエ学校に留学中の日本人も、数名出場しました。

前回大会では、イリーナ・コルパコワが審査員長を務め、ボリショイバレエ学校やワガノワ・バレエアカデミーの校長なども審査員として参加しています。

日本からは新国立劇場バレエ研修所所長の牧阿佐美さんが審査員として参加しました。

審査は一次審査が男女別のレッスン審査、二次審査はエルミタージュ劇場での課題曲の中から選んだヴァリエーションパ・ド・ドゥの審査になります。

また、コンクール入賞者はマリインスキー劇場で行われるガラ・コンサートに参加できます。

基本情報

  • 開催時期:不定期(前回は2018年)
  • 場所:エルミタージュ劇場&ワガノワバレエアカデミー(サンクトペテルブルク)
  • 審査員長:イリーナ・コルパコワ(前回)
  • 部門:ジュニア部門(14〜16歳)、シニア部門(17〜18歳)

過去の入賞者&動画

ウリヤーナ・ロパートキナ(1991年)、スベトラーナ・ザハロワ(1995年)、アリーナ・ソーモワ(2002年)、ウラジーミル・シクリャローフ(2002年)など、ロシアで活躍している有名のダンサーがこのコンクールで入賞しています。

2018年大会では、日本人の母を持つ、大澤ホロウィッツ有論さん(@aaron__oh)が観客賞を受賞しました。

ガラ・コンサート&授賞式(2018年)

マリインスキー劇場でのコンクール入賞者によるガラ・コンサートの映像です。

動画の後半では、ワガノワバレエアカデミーの生徒と卒業生による「白の組曲」が披露されています。

イ・サンギム&スービン・リー(2016年)

2016年大会で第1位に入賞したイ・サンギムさんとスービン・リーさんによる、「ジゼル」のパ・ド・ドゥです。

ペルミ国際バレエコンクール"アラベスク"

コンクールの基本情報

1988年から2年に一度、ペルミで開催されているバレエコンクールです。

学生・プロのダンサーどちらも参加できるコンクールで、ジュニア部門(13〜17歳)、シニア部門(18〜25歳)、コンテンポラリー振付部門(13〜25歳)の3部門があります。

審査員長は、ウラジーミル・ワシーリエフが勤めており、ロシアはもちろん、ドイツ、オーストリア、ポルトガル、ウクライナといった海外からの審査員も多くいるコンクールです。

2018年大会では、元ボリショイ劇場のダンサーであった岩田守弘さんも審査員を勤めていました。

2020年大会の出場者は、27カ国から304人がコンクールにエントリーしています。

日本人の出場者も毎回、20名近くが参加しています。

基本情報

  • 開催時期:2年に一度の4月(前回は2018年)
  • 場所:ペルミ・オペラ・バレエ劇場(ペルミ)
  • 審査員長:ウラジーミル・ワシーリエフ
  • 部門:クラシック(ジュニア・シニア)部門・コンテンポラリー部門
  • 年齢:ジュニア(13〜17歳)シニア(18〜25歳)コンテンポラリー(13〜25歳)

過去の入賞者&動画

マリインスキー劇場で活躍するキミン・キムさんが2012年にグランプリに輝いています。

他にも、イワン・ワシーリエフ(2006年・第一位)やビクトリア・テレシキナ(2006年・入賞)などが、このコンクールで結果を残しています。

また、1992年には岩田守弘さんがグランプリに輝いています。

日本人の入賞者も多く、2016年大会では、シニア部門で寺田智羽さんが1位、川原実樹さん第2位を受賞しています。

入賞者の動画(2018年大会)

※動画右上の再生リストから他にも入賞者の動画も観れます。

入賞者の動画(2016年大会)

※動画右上の再生リストから他にも入賞者の動画も観れます。

まとめ

まとめ

<ロシアの国際バレエコンクールまとめ>

  1. モスクワ国際バレエコンクール
  2. ワガノワ国際バレエコンクール"Vaganova-PRIX"
  3. ペルミ国際バレエコンクール"アラベスク"

・活躍しているダンサーの多くは、これらのコンクール入賞者。
・審査員は有名バレエ団の芸術監督や学校長と超豪華。
・日本人もこれらのコンクールで結果を残している。

今回は、「ロシアの国際バレエコンクール」についてまとめてみました。

これらのコンクールで、日本人が多く入賞者しているのはとても嬉しいコトですね。

日本でも、多くのバレエコンクールが年間を通して開催されています。

コンクールや発表会で踊りたいヴァリエーションを、今回紹介した動画の中から探してみて下さい!

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