- ストーリー
- 2024/10/24
次の発表会・コンクールで踊るバリエーションを探しています。「ジゼル」にはどんなバリエーションがありますか?
このような疑問に答える記事を用意しました!
この記事ではバレエ「ジゼル」に登場するバリエーションを動画付きで解説しています。
海外バレエ団に所属している私が解説しますね!
バリエーション選びのポイントに加えて、記事後半ではよくある質問にも答えているので、ぜひ最後までじっくり読んでくださいね!
バレエ「ジゼル」とは
バレエ「ジゼル」は1841年にパリ・オペラ座で初演された、ロマンティック・バレエの代表作のひとつです。
作曲はアドルフ・アダン、振付はジャン・コラーリとジュール・ペローによって制作されました。
初演時は「ジゼル、またはウィリたち」(Giselle, ou Les Wilis)という作品名でした!
- 原作:オーストリア地方の伝説
- 作曲:アドルフ・アダン(1803−1856年)
- 振付:ジャン・コラーリ(1779−1854年)、ジュール・ペロー(1810−1892年)
- 構成:全2幕
- 初演:1841年(パリ・オペラ座)
- 上演時間:120分
夢幻的で感傷的な物語と美しい音楽、ダンサーたちの一糸乱れぬ踊りで知られており、世界中で愛されている名作となっています。
あらすじ
ストーリーを簡単に説明すると、純粋な村娘ジゼルが貴族の青年アルブレヒトと恋に落ちる物語です。
村娘ジゼルは身分を隠した貴族の青年アルブレヒトと恋に落ちます。しかし、彼には婚約者がいることを知ったジゼルは裏切りにショックを受けて、絶望のあまり命を落としてしまいます。ジゼルは精霊(ウィリ)となり、再びアルブレヒトの前に姿を現すのであった・・・。
作品は全2幕で構成されていて、第1幕「ジゼルが暮らす村」、第2幕「ウィリが潜む沼のほとり」となっています。
- 第1幕:「ジゼルが暮らす村」
- 第2幕:「ウィリが潜む沼のほとり」
詳しい作品のストーリーは、「バレエ「ジゼル」全幕のあらすじ・登場人物・見どころを徹底解説!」で解説しています。
» バレエ「ジゼル」全幕のあらすじ・登場人物・見どころを徹底解説!
主な登場人物
バレエ「ジゼル」には、以下のような登場人物がいます。
- ジゼル:村娘で物語のヒロイン。心優しく純粋だが心臓が弱い。
- アルブレヒト:貴族の青年でジゼルに恋する男性。婚約者がいるが、それを隠してジゼルに接近る。
- ヒラリオン:森番でジゼルに恋している。
- ミルタ:ウィリ(幽霊の花嫁)たちの女王。
- バチルド:アルブレヒトの婚約者。貴族の娘。
ウィリとは、結婚式をあげる前に亡くなった花嫁がなる精霊のことです。
バリエーション選びの5つのポイント
バリエーション選びのポイントは、次の5つになります。
- 自分の得意なテクニックを活かせるか。
- 難易度は自分の年齢や経験に合っているか。
- 役(キャラクター)を演じきれそうか。
- 作品の音楽は気に入ったか。
- 自分が楽しめるバリエーションか。
「自分がその役を踊る姿をイメージできるか」がバリエーション選びには大切です。
せっかくバリエーションを選んでも先生からNGが出る場合があるので、候補は2〜3コ用意しておくのがおすすめです。
バレエ「ジゼル」で踊られるバリエーション一覧
バレエ「ジゼル」で踊られるバリエーションは、次の6つになります。
1つずつ動画付きで解説しますね!
第1幕:ジゼルのバリエーション
第1幕で踊られるジゼルのバリエーションは、純粋で愛らしい村娘ジゼルのキャラクターを表現したバリエーションです。
アルブレヒトへの愛と幸福感を踊りで表現しており、軽やかで繊細な踊りが求められます。
- 難易度:★★★☆☆(3/5)
- テクニック:★★★☆☆(3/5)
- 体力:★★★★☆(4/5)
- 表現力:★★★★☆(4/5)
- 音楽:★★★☆☆(3/5)
村の仲間のみんなが見ている中で、踊ることが大好きなジゼルが踊りを披露する場面で踊られるバリエーションです。
第1幕:ペザントの男性第1バリエーション
ペザントの男性第1バリエーションは、作中では第1幕「ジゼルが暮らす村」で披露されるパ・ド・ドゥの中のバリエーションです。
ペザントの男性バリエーションは全部で2曲あります。
- 難易度:★★★☆☆(3/5)
- テクニック:★★★☆☆(3/5)
- 体力:★★★★☆(4/5)
- 表現力:★★★☆☆(3/5)
- 音楽:★★★☆☆(3/5)
ザンレール(ドゥーブル・トゥール・アン・レール)やシソンヌ・ウーベルトなどのコンビネーションが組み込まれており、ほかの男性バリエーションと比べると難易度はそこまで高くはありません。
村に暮らす青年らしい明るくエネルギッシュな表現の求められるバリエーションです。
第1幕:ペザントの女性バリエーション
ペザントの女性バリエーションは、村娘たちの楽しさや無邪気さを表現した明るいバリエーションです。
ペザントの男性第1バリエーションの次に披露されます。
- 難易度:★★★☆☆(3/5)
- テクニック:★★★☆☆(3/5)
- 体力:★★★★☆(4/5)
- 表現力:★★★☆☆(3/5)
- 音楽:★★★☆☆(3/5)
難易度の高いバリエーションではありませんが、グラン・ジュテなどの跳躍系のパを通じて、可愛らしく軽やかな踊りが求められます。
第1幕:ペザントの男性第2バリエーション
ペザントの男性第2バリエーションは、女性バリエーションのあとに披露される2つ目の男性バリエーションです。
- 難易度:★★★☆☆(3/5)
- テクニック:★★★☆☆(3/5)
- 体力:★★★★☆(4/5)
- 表現力:★★★☆☆(3/5)
- 音楽:★★★☆☆(3/5)
1つ目のバリエーションよりもシソンヌやカブリオールなどの空中でのテクニックが多く含まれています。
第2幕:ジゼルのバリエーション
ジゼルのバリエーションは、第2幕「ウィリが潜む沼のほとり」でウィリ(精霊)となったジゼルが披露するバリエーションです。
- 難易度:★★★★☆(4/5)
- テクニック:★★★☆☆(3/5)
- 体力:★★★★☆(4/5)
- 表現力:★★★★★(5/5)
- 音楽:★★★☆☆(3/5)
空中でのテクニックの中に、ウィリ(精霊)のような重力を感じさせない跳躍が求められます。
第2幕:アルブレヒトのバリエーション
アルブレヒトのバリエーションは、第2幕「ウィリが潜む沼のほとり」で披露されるバリエーションです。
- 難易度:★★★★☆(4/5)
- テクニック:★★★☆☆(3/5)
- 体力:★★★☆☆(3/5)
- 表現力:★★★★☆(4/5)
- 音楽:★★★☆☆(3/5)
第3ポジションの手(アン・オー)で行うザンレール(ドゥーブル・トゥール・アン・レール)が特徴的です。
アルブレヒトの内面的な葛藤と深い悲しみ、そしてジゼルへの永遠の愛を表現することが求められます。
「ジゼル」のバリエーションに関するよくある質問3つ
最後に「ジゼル」のバリエーションに関するよくある質問を3つ答えていきます。
- 質問①:どんな衣装を着て踊りますか?
- 質問②:どのバリエーションが人気ですか?
- 質問③:CD音源はどこで購入できますか?
1つずつチェックしましょう!
質問①:どんな衣装を着て踊りますか?
バレエ「ジゼル」に登場する人物は、次のような衣装を着てバリエーションを踊ります。
- ペザント女性:暖色系のロマンティック・チュチュ
- ペザント男性:白ブラウス+ベスト+白タイル
- ジゼル(第1幕):ブルー系のロマンティック・チュチュ
- ジゼル(第2幕):白色のロマンティック・チュチュ
- アルブレヒト:ブラックorブルー系の衣装+黒or紫タイル
b.c.costume.(ビーシーコスチューム)や衣装畑などでレンタル衣装の取り扱いがあります。
「レンタル衣装を探している」や「衣装のイメージをつかみたい」という方は、ぜひチェックしてみてください!
質問②:どのバリエーションが人気ですか?
中学生女子には「ペザントの女性バリエーション」、高校生には「第1幕ジゼルのバリエーション」がコンクールで人気です。
男性では「ペザントの男性第1バリエーション」が、初めてのバリエーションとして選ばれることが多くなっています。
「アルブレヒトのバリエーション」は中高生男子がコンクールでよく踊っているイメージです。
質問③:CD音源はどこで購入できますか?
いくつかのメーカーから「ジゼル」全幕が収録されたCDが販売されています。
このCDにはペザントのパ・ド・ドゥが収録されています。
まとめ:「ジゼル」のバリエーションに挑戦しよう!
今回の記事では、バレエ「ジゼル」に登場するバリエーションについて解説しました。
この記事で解説したバリエーション選びのポイントを参考にして、自分にピッタリのバリエーションを選びましょう!
踊るバリエーションが決まったら、作品のあらすじや作品背景を学んでおくと練習に役立ちますよ。
この記事を書いた人Wrote this article
かたーる 男性
『バレエの世界をもっと身近に!』をテーマに情報発信しています。【経歴】高校→バレエ留学→コロナ強制帰国→オーディション旅→海外バレエ団(4年目)。年間100公演以上あるバレエ団でソリストをしています。